では、コミックサイエンスとは具体的にはどういうものでしょうか。
例えば、コラーゲンというタンパク質があります。コラーゲンは地球上の動物の体内に非常にありふれて存在するタンパク質です。極端な偏食などでなければ通常の食生活で何の不足もなくその原料となるアミノ酸を摂取することができ、そしてそれらをもとにして体内生産できるタンパク質です。コラーゲンの分子量は非常に大きいので、コラーゲンを肌に塗ってもそれは経皮吸収されませんし、経口摂取してもコラーゲンとして体内に吸収されることもありません。コラーゲンを食べた場合、それは胃液などで消化され、ペプチド(アミノ酸が複数結合したもの)やアミノ酸に分解されます。分解されたペプチドやアミノ酸は小腸から体内に吸収され、体内で生産されるコラーゲンの原料として利用されますが、これらを「コラーゲン」というタンパク質で摂取する必要性は全くありません。したがって、「コラーゲン」を表記されているものを塗ったり、あるいは食べたりしても、肌がぷりぷりになるといった効果は特段期待できません。単に、タンパク質を摂取しているのと何も変わらないのです。